7742015 ランダム
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I歯科医院の高楊枝通信。

I歯科医院の高楊枝通信。

唾液中のHCO3(重曹成分)の濃度は?

耳下腺唾液
コメント欄で、「結局、唾液中のHCO3とうちで推奨している重曹水3g/500mlとではどちらが濃いか?という話になるんですが、ここの図19でみると、ttp://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/200911030004/(先頭にhを付けてね)、重曹水の方が2~8倍濃いという計算になります。8~32mM(ミリmol/リッター)から。」

なんて書き込んだのですが、朝子供たちを送り出す前のバタバタ中の概算だったし、
解りにくい向きもあるかと思ってもうちょっと詳しく書き込みます。

ところで、なんで虫歯に「重曹うがい」が効くかというと、
虫歯の電気化学説」によると、酸性溶液で金属腐食(電蝕)が起こりやすいからです。
では歯は金属か?というとリン酸カルシウムという金属化合物ではあるのです、
実際に電気が流れますし、イオン化傾向も測定できます
従ってアルカリ性にすると電蝕は起こりません
しかもpH依存性のある再石灰化(アルカリ性で亢進)は促進されます。

さて、表題の図19ですが、
そしゃく運動を始めると、1分間にどのくらい唾液が出てくるか、またそのときの唾液中のHCO3濃度はどうか?
というグラフです。
人によって分泌唾液量には0.25ml/分~1.0ml/分と個人差があるのですが、
唾液中のHCO3濃度にも個人差があるようです。
唾液が多い人程、HCO3濃度も高い。

で、HCO3濃度は8mM~32mM(mMはミリモル、1リッター中のミリmol数)となっています。
HCO3が1mMとは、HCO3の分子量が61gなので、0.061g/リッター。
ということは、8mM~32mMは0.488g/リッター~1.952g/リッター。

一方、うちで推奨の重曹水の濃度は3g/500ml、
重曹NaHCO3の分子量が84gなので、3gの重曹中のHCO3は3g×61/84=2.18g、
1リッターでは重曹6gなので、HCO3濃度は4.36g/リッター。

ということは、うちで推奨する重曹水のHCO3濃度の方が
2.23倍~9.07倍 唾液中のHCO3濃度より高い。

というより、意外に唾液中のHCO3(重曹成分)は多い、、と言った方がよいかも!


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